「日本酒には制ガン効果がある」って、本当なんだろうか?

戦後の日本の全国市区町村別標準化死亡比を見ると、肝硬変や肝ガンによる死亡率に大きな地域差があることがわかります。そこで、全国のアルコール消費量 を種類別に比較照合してみたところ、東北地方を中心とする東日本、つまり日本酒をよく飲む地方の人たちの死亡率が非常に低いことがわかりました。つぎに、ヒトのガンの細胞に日本酒の濃縮液を添加する実験を行ったところ、ガン細胞の増殖が著しく抑制されました。こうした結果 は、ウィスキーやブランデーでは認められないもので、すこから日本酒に含まれる何らかの成分がガン細胞増殖抑制作用を持つのではないかと考えたのです。戦後づっと肝硬変、肝ガン死亡が東低西高の地域差を示しているという事象は、こうした実験結果 が裏付けているといえるかもしれません。日本酒のどの成分が成ガン作用を持つのかの特定が今後の課題として残されていますが、日本酒の効果 は、事実として知ってほしいと思います。
滝沢 行雄(たきざわ ゆきお)さん
医学博士 秋田大学名誉教授
国際疫学学会などに所属


「糖尿病と日本酒には直接の関係はない」といわれましたが?


糖尿病という病気は、血液中の糖分をエネルギーに変える働きをするインスリンというホルモンが不足するために、摂取した糖分が利用されずに血液中に増えてしまう病気です。遺伝のほかに、食べ過ぎや運動不足による肥満、ストレスがきっかけとなって発病し、放置すると恐ろしい合併症が出現します。日本では最近患者数が急激に増加しており、特に40歳以上の人は精密検査で一割程度見つかります。ところで、糖尿病には日本酒の糖分がよくないとか、日本酒はカロリーがたかいから、などという人がいますが、日本酒と糖尿病には直接的な関係はありません。アルコールは1gにつき7キロカロリーあり、これはどんなお酒でも同じで、摂取カロリーは飲んだお酒に含まれるアルコールの量 に比例します。糖尿病の予防には、なによりも、一日に取る食べ物その他の総摂取カロリーの抑制と適切な運動が必要です。それらに注意し、おいしいお酒を楽しみましょう。

岡部 正(おかべ ただし)
医学博士 岡部クリニック院長
日本内科学会評議員
日本糖尿病学会認定指導医
◆お酒のカロリー一覧表
種類 日本酒1合 ビール大瓶 ウイスキーシングル ワイン1杯
量(ml)
180
633
30
120
アルコール量(g)
23
22
10
12
糖質(g)
7
20
0
20.4
タンパク質(g)
0.9
3.2
0
0.4
総カロリー(kCal)
193
247
67
92
日本酒造組合中央会発行 日本酒読本より

日本酒の種類

日本酒の種類は主に原材料の違い、精米歩合の違い、製造法法の違いによって分けられます。
◆ 吟醸酒------------------
酒造りに最も適するとされる米だけを利用し、さらにその表層部の40%以上を磨いて作ったお酒で、新鮮な果 樹の香りにも似た吟醸香のある軽快でなめらかな味を楽しむ事ができます。
◆ 純米酒------------------
米と米麹だけで作ったコクのある深い味わいのお酒で、日本酒の原点とも言える個性派のお酒です。
◆ 本醸造酒----------------
米と米麹に味の調整のために、醸造アルコールをごくわずかに加えたお酒で、スッキリとした味わいが特徴です。
◆ 普通酒------------------
前記以外のお酒で、米、米麹、醸造アルコールの他に糖類を加えたものもあり、それぞれの蔵元によりバラエティーに富んだ味が楽しめます。
◆ 生酒・生貯蔵酒------------
一般的な清酒がビン詰めにされるまでに2回の加熱殺菌処理(火入れ)をしているのに対し、特殊なフィルターの開発や、冷蔵設備の普及により絞りたての風味を生かしたお酒です。このうち、加熱殺菌処理(火入れ)を全くせずビン詰めしたものが生酒です。又、生のまま貯蔵しビン詰めに際して加熱殺菌処理(火入れ)をしたものが、生貯蔵酒です。どちらも生酒特有のフレッシュな絞りたての味と香りが楽しめます。
それぞれラベルに種類が明記されていますので、これらを参考にお選び下さい。